日経マネーが毎年実施している「個人投資家調査」によれば、コロナショック後の相場上昇に乗って資産を順調に増やした投資家が多いのだそうですよ。
この調査は、個人投資家を対象に4月15日~5月7日にインターネット上で実施され、延べ2万5544人から回答を得たのだそうで、回答者の投資歴は1年未満が22.9%、1年以上5年未満が29.4%、5年以上10年未満が12.2%。10年以上のベテラン投資家は27.2%で、未経験者も8.3%いたのだそうです。
投資先においては、日本株が最も多く65.6%(複数回答)となり、2番目に多かったのが日本株の投資信託・ETF(上場投資信託)で31.3%が保有しており、前年調査と比べ保有率が伸びたのが先進国株の投信・ETF(28.7%)と先進国の個別株(17.7%)で、投信・ETFは前年調査より6.5ポイント、個別株は4.6ポイント増えています。
2020年3月のコロナショック以降、急回復を遂げた株式相場を背景に、個人投資家の運用成績は好調だったようで、投資歴6カ月以上の人のうち、20年のリスク資産の運用成績がプラス(投資元本に対する騰落率がプラス1%以上)だった人は58.8%。日経平均株価が30年ぶりに3万円台に乗せるなど、日本株が上昇基調だった21年1~3月は64.3%にのぼっています。
また、20年のリスク資産の運用成績がプラスだった人の投資スタイルでは、インデックス型投信やETFなどを使った海外主体の「国際分散投資」(20.2%)が最多となり、「日本の高配当・優待株」(15.8%)、「先進国株」(14.8%)が続いており、保有する資産をみると、プラス運用だった人は先進国株や先進国株投信の保有率が全体平均より高くなっています。
20年の年間上昇率は日経平均株価が16%に対し、ハイテク銘柄の割合が高い米ナスダック総合株価指数は43%。
巨大IT企業をはじめとしたハイテク株の強さが際立った。米国株をはじめとした海外資産への投資が好パフォーマンスにつながったようだ。
昨年1年間の日本株の運用成績がプラスだったのは52.5%。10%以上のリターンをあげた人も24.7%いた。日本株で10%以上のリターンをあげた人の銘柄選定基準をみると「成長性重視」がトップ。「割安」、「配当利回りが高い」が続いた。
資産1億円超え
1億円を超える資産を築いた個人投資家は603人となり、全体に占める割合は2.4%(前年は1.9%)。
年代は50代が最も多く、そのあとに60代が続いていて、投資歴10年以上のベテラン投資家が8割以上を占めています。
さらに職業では、前年調査で「無職(リタイア)」を抜いてトップになった「会社員」が今年も最多で3割を超えており、中には女性の億超え投資家も53人いたのだとか。
投資をする目的で最も多かったのは「老後の資産づくりのため」で4割を超え、20~60代の全ての年代でトップとなり、50代では57.0%、60代は49.4%に達しています。